綺麗に造形するコツ

提供: 3D Printer Wiki
2014年9月28日 (日) 08:51時点におけるMakimaki (トーク | 投稿記録)による版
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Kacieのプリント術TOP10TIPS

↑まずは、これを見てみよう。

■機械(ハード)の調整

◆Z軸の調整

(1)ベッドとノズルの隙間を適切な距離に調整する
基本的には造形開始直前の状態でノズルとベッドの隙間が0.1〜0.2mm程度が望ましい。
名刺や紙がノズルに当たりながらも動く程度がだいたい0.1mm〜0.2mm。
隙間ゲージ(シンワ シックネスゲージ は400円以下送料込)を使うのもおすすめ。 この数字はフィラメント種類・出力するノズル経によって違うため最適な間隔を見つける必要がある。
例)0.2mmのノズル経で0.2mm隙間で設定した場合ベッドへの定着がしにくくなり、0.5mmのノズルで0.1mmの隙間で設定した場合は1層目の出力が潰れる・詰まるなどの問題につながる。4隅を2周かけて確認すると良い状態になる。
(最初のポイントは次やその次のポイントの調整により影響をうけるため)また、ABS等の造形でベッド温度を上げる場合は本体の熱による膨張も考慮し、10分〜20分程度経ってから確認作業を行う必要がある。

◎カスタマイズによる対策
ベッドを純正のMDFからアルミ製のものへ変更すると熱による影響も少なく、調整が楽になります。カスタマイズ品の購入は、メニューの「各種購入」に紹介を載せております。
Elanscraft parts.jpg
(エランズクラフトストアより)
http://elanscraft.theshop.jp/

◆X軸、Y軸の調整
(1)ベルトのテンションを確認する
特にX / Y軸のモータから直接出ているベルトのテンションは強めに張ること。この部分の調整次第で目に見えて出来栄えに影響する。正確な円や四角が描けていない場合は、ほぼテンションの問題である。
また、造形物の表面に縞が出ている場合もテンションをチェックすること。
目安はベルトの中間を指で軽く押して2mmほど撓むくらい。
後は、初めて造形をする状態であれば慣らし運転(フィラメント出力なしでOK)も効果があります。
2~3日するとベルトがなじんでくるので、再度張りをチェックしたほうがいいでしょう。

◆ベッドの調整
(1)ベッド・ノズルを使用するフィラメントに合わせてセッティングする
PLA / ABS共に安定的に定着させるためにベッドをアルコール洗浄するなど綺麗に保つことを心がける。ノズルについても同様、詰まり等の原因になるため利用後は綺麗に洗浄することが重要。ノズルについては異種フィラメントの化学反応によって詰まりを誘発する場合があるため個別に用意するのがベスト(MUSTではない)ノズル温度は基本的には出力できる下限側で調整すると垂れや変形が少なく造形できる。定着にはケープのヘアスプレー(スーパーハード無香料)がオススメ。

・PLA系の場合
ベッド温度:常温〜60度程度(基本常温でOK)
ノズル温度:170〜200度程度
表面:マスキングテープ/カプトンテープ
定着剤:花王ケープ(スーパーハード)、スティックのり、両面テープ等

・ABS系の場合
ベッド温度:60度〜100度程度
ノズル温度:180〜240度程度
表面:マスキングテープ / カプトンテープ / 2mmのガラス板(←オススメ)
定着剤:花王ケープ(スーパーハード)
※スティックのり、両面テープ等は100度程度で粘着性が極端に悪化するため注意

◆その他の調整
(1)強制冷却ファンダクトをつける(PLAのみ)
BS01部品置き場に強制冷却ファンダクトデータが置いてあるので、ABSで造形してヒートシンクの代わりに設置する。
DUCT.jpg


■スライサー(ソフト)の調整(基本編)
スライサー(ソフト)の調整は、必ず機械(ハード)の調整が完了してから行うこと。機械の調整がなされないまま、ソフトの調整をしても決して改善されることはない。もっとも初級者が失敗しやすい部分である。 基本的な調整項目には以下の4つがある。まず、デフォルトの値から、この4つのみを変更し、チェックのためのデータを用いて造形すること。 決して、いきなり複雑なものを造形してはならない。フィラメントの無駄であるし、ほぼ失敗する。

(1)積層厚

0.2mmの積層厚を基本とする。 表面の品質を良くする、もしくは精密な造形を行う場合は、0.1mmで行う。 大きな部品やスパイラル造形を行う場合は0.3mmで行うと良い。

(2)充填率

充填率は0~100%(0~1) 充填率が0%の場合は中空になる。 100%にしても、完全に中身が満たされる訳ではない。

(3)印刷速度(mm/sec)

表面の品質をよくする場合は遅く、造形時間を短くするときは速くする。

(4)ノズル温度

フィラメントの種類により変化するが、PLAでは200~220℃、ABSでは230~240℃が基本。 一般的なフィラメントだと、低ければ硬くなり、高ければやわらかくなる。 表面やオーバーハングが垂れる場合は低くする。 逆に低い場合は、積層の末端がばらけてはがれることがある。

■スライサーの調整(応用編)

◆リトラクト値
造形物が糸を引く場合は、この値を大きくすること。

◆射出率(押し出し率)
フィラメントが太く出る場合は、この値を低くすること。フィラメントを細くすることで早く冷やすことができる。また、表面の繊細な模様を浮かび上がらせることができる。

◆壁の厚さ
壁を薄く(1枚に)することで、表面に出る縞模様をなくすことができる。また、造形時間を短くできる。ただし強度は下がるので、造形物に応じて設定すること。

◆天井の厚さ
薄い場合は天井部分に穴が開いたようになるので厚くすること。特に天井部分が広い場合は厚くすること。