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(1)45度ルール
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'''(1)45度ルール'''
45度ルールは覚えておくこと。45度以上のオーバーハングにはサポート材を使うか、特別なデザインテクニックを使って対処しなければならない。使いやすいサポート材やブリッジ材(円錐形など)をデザインして使おう。
 
  
(2)サポート材がいらないデザインにする
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45度ルールは覚えておくこと。45度以上のオーバーハングにはサポート材を使うか、特別なデザインテクニックを使って対処しなければならない。使いやすいサポート材やブリッジ材(円錐形など)をデザインして使おう。<br>
サポートに関するアルゴリズムは日々進化しているが、サポート材を使うと、モデル表面にかっこ悪い跡が残ってしまう。また、サポート材を切り離す作業も手間がかかる。サポート材を使わずにプリントできるようにデザインすることが大切だ。
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'''※逆に言うと45度以下であれば、わざわざサポート材をつける必要はない。'''
  
(3)カスタムサポートを加える
 
コンピューターが自動生成するサポート材を使わなくて済むように、マウスイヤー(ネズミの耳)と呼ばれるヘルパーディスクやコーンをデザインに組み込む。Tony BuserのMouse Eared Rocket Fincan(http://www.thingiverse.com/thing:9241)やPrettySmallThingsのウィンザーチェア(http://www.thingiverse.com/thing:21999)はとても参考になる。ラフトも避けよう。プリント時間が長くなってしまう。ソフトやプリンターの設定によっては、ラフトの切り離しが難しくなったり、プリントの底面の仕上がりが悪くなることがある。
 
  
(4)プリンターの限界を知ろう
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'''(2)サポート材がいらないデザインにする'''
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サポートに関するアルゴリズムは日々進化しているが、サポート材を使うと、モデル表面にかっこ悪い跡が残ってしまう。また、サポート材を切り離す作業も手間がかかる。サポート材を使わずにプリントできるようにデザインすることが大切だ。<br>
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'''※サポート材がいらないデザインは良いデザインとも言える。また、造形時間もそれだけ短くてすむ。'''
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'''(3)カスタムサポートを加える'''
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コンピューターが自動生成するサポート材を使わなくて済むように、マウスイヤー(ネズミの耳)と呼ばれるヘルパーディスクやコーンをデザインに組み込む。Tony BuserのMouse Eared Rocket Fincan(http://www.thingiverse.com/thing:9241 )やPrettySmallThingsのウィンザーチェア(http://www.thingiverse.com/thing:21999 )はとても参考になる。ラフトも避けよう。プリント時間が長くなってしまう。ソフトやプリンターの設定によっては、ラフトの切り離しが難しくなったり、プリントの底面の仕上がりが悪くなることがある。<br>
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'''※どうしてもサポート材がいるデザインの場合は、自動サポートを使うよりも自分で作ったほうが綺麗にできる。'''
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'''(4)プリンターの限界を知ろう'''
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モデルの細かさを確かめる。小さな出っ張り(タワー)や細かい起伏など、デスクトップ3Dプリンターのプラスティックで再現できる範囲のものかどうか。とても重要ながら、よく見逃しがちなことに、プリンターが対応するスレッド幅の公差がある。
 
モデルの細かさを確かめる。小さな出っ張り(タワー)や細かい起伏など、デスクトップ3Dプリンターのプラスティックで再現できる範囲のものかどうか。とても重要ながら、よく見逃しがちなことに、プリンターが対応するスレッド幅の公差がある。
スレッド幅はプリンターのノズルの直径で決まる。一般的なプリンターでは、0.4ミリまたは0.5ミリのノズルが使われている。0.4ミリノズルで円を描けば、いちばん小さくてもかならず2本のスレッドで描かれるため0.8ミリの直径になる。0.5ミリノズルなら1ミリだ。ビデオのなかでKacieも言っているが、「プリントできるいちばん小さいものは、スレッド幅の2倍の大きさ」という法則が成り立つ。
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スレッド幅はプリンターのノズルの直径で決まる。一般的なプリンターでは、0.4ミリまたは0.5ミリのノズルが使われている。0.4ミリノズルで円を描けば、いちばん小さくてもかならず2本のスレッドで描かれるため0.8ミリの直径になる。0.5ミリノズルなら1ミリだ。ビデオのなかでKacieも言っているが、「プリントできるいちばん小さいものは、スレッド幅の2倍の大きさ」という法則が成り立つ。<br>
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'''※ノズル径の2倍の大きさより小さな形状データはきれいに造形できない。特に縮小して造形したときに注意すること。'''
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'''(5)はめ込みパーツに適切な隙間を設ける'''
  
(5)はめ込みパーツに適切な隙間を設ける
 
 
いくつかのパーツをはめ込む場合、「はめ合い公差」が重要になる。適切なはめ合い公差を割り出すのは難しいが、Kacieは簡単な技を教えてくれた。きっちりはめ込むもの(ぎゅっと押し込んで固定するもの)は0.2ミリのオフセット。ゆるくはめ込むもの(ヒンジや箱の蓋など)は0.4ミリのオフセットと覚えておくといい。もちろん、モデルによって違いが出てくるので、かならず自分のモデルでテストすること。
 
いくつかのパーツをはめ込む場合、「はめ合い公差」が重要になる。適切なはめ合い公差を割り出すのは難しいが、Kacieは簡単な技を教えてくれた。きっちりはめ込むもの(ぎゅっと押し込んで固定するもの)は0.2ミリのオフセット。ゆるくはめ込むもの(ヒンジや箱の蓋など)は0.4ミリのオフセットと覚えておくといい。もちろん、モデルによって違いが出てくるので、かならず自分のモデルでテストすること。
  
(6)シェルを正しく使う
 
細かい部分には余分なシェルを加えないこと。小さな文字をプリントするときなど、シェルが重なると細部がぼやけてしまう。
 
  
(7)スレッド幅を最適化する
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'''(6)シェルを正しく使う'''
スレッド幅を上手に使おう。柔らかいモデルは、とても薄いものをプリントしたいとき、モデルの壁を1本のスレッド幅(1枚壁)にする。Thingiverseで公開されているHultgrenのFlexible Inspirationのコレクションを参考にしてほしい。この技を使ったサンプルがいろいろ見られる。注)1枚壁:射出されたフィラメント1本でできた壁
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細かい部分には余分なシェルを加えないこと。小さな文字をプリントするときなど、シェルが重なると細部がぼやけてしまう。<br>
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'''※シェルとはオブジェクトの外殻のこと。'''
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'''(7)スレッド幅を最適化する'''
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スレッド幅を上手に使おう。柔らかいモデルは、とても薄いものをプリントしたいとき、モデルの壁を1本のスレッド幅(1枚壁)にする。Thingiverseで公開されているHultgrenのFlexible Inspirationのコレクションを参考にしてほしい。この技を使ったサンプルがいろいろ見られる。<br>
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'''※1枚壁:射出されたフィラメント1本でできた壁で、スパイラルという設定で造形できる。ただし、中空になり上部は開口する。 '''
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'''(8)解像度を高める方向に決める'''
  
(8)解像度を高める方向に決める
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解像度を考えてモデルの配置方向を決めること。必要に応じてモデルを輪切りにして、あとで組み合わせることも考えよう。熱融解積層方式のプリンターでは、解像度がコントロールできるのはZ方向のみだ。XとY方向はスレッド幅で決まってしまう。細かい表現が必要な部分があれば、そこを解像度が調整可能な方向に向けることだ。<br>
解像度を考えてモデルの配置方向を決めること。必要に応じてモデルを輪切りにして、あとで組み合わせることも考えよう。熱融解積層方式のプリンターでは、解像度がコントロールできるのはZ方向のみだ。XとY方向はスレッド幅で決まってしまう。細かい表現が必要な部分があれば、そこを解像度が調整可能な方向に向けることだ。
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'''※多くの3DプリンタはZ軸方向(縦方向)がもっとも解像度が高い。人の顔のような微細なものは顔を立てて造形すると良い。顔を仰向けにすると積層痕が目立ってしまう。'''
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'''(9)力のかかる方向に揃える'''
  
(9)力のかかる方向に揃える
 
 
力を加えたときにプリントが壊れてしまわないよう、プリントのラインが力の掛かる方向と直角になるようにプリントして、力を分散させることが大切だ。
 
力を加えたときにプリントが壊れてしまわないよう、プリントのラインが力の掛かる方向と直角になるようにプリントして、力を分散させることが大切だ。
 
同じことが、大きなモデルのプリントに使われるABSにも言える。プリント中にプラットフォーム上で冷えてZ軸方向に割れてしまうことがある。
 
同じことが、大きなモデルのプリントに使われるABSにも言える。プリント中にプラットフォーム上で冷えてZ軸方向に割れてしまうことがある。
  
(10)まるごとプリントは究極のプリント
 
熱融解積層方式のデスクトッププリンターでは、「Print in Place」は究極の技だ。これに挑戦するときのHultgrenのアドバイスはこうだ。デザイン要素をプラットフォーム上に展開すること。中に入る部品や隙間にはブリッジを使って慎重にプリントすること。
 
  
訳者から:Print in Placeとは、たとえば蝶番など、丸ごとプリントして、プラットフォームから取り出したらすぐに蝶番として機能するようなプリントのこと。日本語でなんて言うのかわかりませんでした。
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'''(10)まるごとプリントは究極のプリント'''
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熱融解積層方式のデスクトッププリンターでは、「一体形成」は究極の技だ。これに挑戦するときのHultgrenのアドバイスはこうだ。デザイン要素をプラットフォーム上に展開すること。中に入る部品や隙間にはブリッジを使って慎重にプリントすること。<br>
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'''※一体形成とは、たとえば蝶番など、丸ごとプリントして、プラットフォームから取り出したらすぐに蝶番として機能するようなプリントのこと。'''
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http://makezine.jp/blog/2014/01/top-ten-tips-designing-models-for-3d-printing.html
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https://www.youtube.com/watch?v=Z8ZthdEifOo#t=1309
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http://www.slideshare.net/KacieHultgren/top10-tips-for
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(※印の注釈は、エディタが追加しました。)

2015年12月26日 (土) 08:43時点における最新版

(1)45度ルール

45度ルールは覚えておくこと。45度以上のオーバーハングにはサポート材を使うか、特別なデザインテクニックを使って対処しなければならない。使いやすいサポート材やブリッジ材(円錐形など)をデザインして使おう。
※逆に言うと45度以下であれば、わざわざサポート材をつける必要はない。


(2)サポート材がいらないデザインにする

サポートに関するアルゴリズムは日々進化しているが、サポート材を使うと、モデル表面にかっこ悪い跡が残ってしまう。また、サポート材を切り離す作業も手間がかかる。サポート材を使わずにプリントできるようにデザインすることが大切だ。
※サポート材がいらないデザインは良いデザインとも言える。また、造形時間もそれだけ短くてすむ。


(3)カスタムサポートを加える

コンピューターが自動生成するサポート材を使わなくて済むように、マウスイヤー(ネズミの耳)と呼ばれるヘルパーディスクやコーンをデザインに組み込む。Tony BuserのMouse Eared Rocket Fincan(http://www.thingiverse.com/thing:9241 )やPrettySmallThingsのウィンザーチェア(http://www.thingiverse.com/thing:21999 )はとても参考になる。ラフトも避けよう。プリント時間が長くなってしまう。ソフトやプリンターの設定によっては、ラフトの切り離しが難しくなったり、プリントの底面の仕上がりが悪くなることがある。
※どうしてもサポート材がいるデザインの場合は、自動サポートを使うよりも自分で作ったほうが綺麗にできる。


(4)プリンターの限界を知ろう

モデルの細かさを確かめる。小さな出っ張り(タワー)や細かい起伏など、デスクトップ3Dプリンターのプラスティックで再現できる範囲のものかどうか。とても重要ながら、よく見逃しがちなことに、プリンターが対応するスレッド幅の公差がある。 スレッド幅はプリンターのノズルの直径で決まる。一般的なプリンターでは、0.4ミリまたは0.5ミリのノズルが使われている。0.4ミリノズルで円を描けば、いちばん小さくてもかならず2本のスレッドで描かれるため0.8ミリの直径になる。0.5ミリノズルなら1ミリだ。ビデオのなかでKacieも言っているが、「プリントできるいちばん小さいものは、スレッド幅の2倍の大きさ」という法則が成り立つ。
※ノズル径の2倍の大きさより小さな形状データはきれいに造形できない。特に縮小して造形したときに注意すること。


(5)はめ込みパーツに適切な隙間を設ける

いくつかのパーツをはめ込む場合、「はめ合い公差」が重要になる。適切なはめ合い公差を割り出すのは難しいが、Kacieは簡単な技を教えてくれた。きっちりはめ込むもの(ぎゅっと押し込んで固定するもの)は0.2ミリのオフセット。ゆるくはめ込むもの(ヒンジや箱の蓋など)は0.4ミリのオフセットと覚えておくといい。もちろん、モデルによって違いが出てくるので、かならず自分のモデルでテストすること。


(6)シェルを正しく使う

細かい部分には余分なシェルを加えないこと。小さな文字をプリントするときなど、シェルが重なると細部がぼやけてしまう。
※シェルとはオブジェクトの外殻のこと。


(7)スレッド幅を最適化する

スレッド幅を上手に使おう。柔らかいモデルは、とても薄いものをプリントしたいとき、モデルの壁を1本のスレッド幅(1枚壁)にする。Thingiverseで公開されているHultgrenのFlexible Inspirationのコレクションを参考にしてほしい。この技を使ったサンプルがいろいろ見られる。
※1枚壁:射出されたフィラメント1本でできた壁で、スパイラルという設定で造形できる。ただし、中空になり上部は開口する。


(8)解像度を高める方向に決める

解像度を考えてモデルの配置方向を決めること。必要に応じてモデルを輪切りにして、あとで組み合わせることも考えよう。熱融解積層方式のプリンターでは、解像度がコントロールできるのはZ方向のみだ。XとY方向はスレッド幅で決まってしまう。細かい表現が必要な部分があれば、そこを解像度が調整可能な方向に向けることだ。
※多くの3DプリンタはZ軸方向(縦方向)がもっとも解像度が高い。人の顔のような微細なものは顔を立てて造形すると良い。顔を仰向けにすると積層痕が目立ってしまう。


(9)力のかかる方向に揃える

力を加えたときにプリントが壊れてしまわないよう、プリントのラインが力の掛かる方向と直角になるようにプリントして、力を分散させることが大切だ。 同じことが、大きなモデルのプリントに使われるABSにも言える。プリント中にプラットフォーム上で冷えてZ軸方向に割れてしまうことがある。


(10)まるごとプリントは究極のプリント

熱融解積層方式のデスクトッププリンターでは、「一体形成」は究極の技だ。これに挑戦するときのHultgrenのアドバイスはこうだ。デザイン要素をプラットフォーム上に展開すること。中に入る部品や隙間にはブリッジを使って慎重にプリントすること。
※一体形成とは、たとえば蝶番など、丸ごとプリントして、プラットフォームから取り出したらすぐに蝶番として機能するようなプリントのこと。

http://makezine.jp/blog/2014/01/top-ten-tips-designing-models-for-3d-printing.html

https://www.youtube.com/watch?v=Z8ZthdEifOo#t=1309

http://www.slideshare.net/KacieHultgren/top10-tips-for

(※印の注釈は、エディタが追加しました。)