3D造形方法

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■3D造形の流れ

スライサーで生成されたスライスデータ(GCODE)は、USBケーブルでのCOM通信もしくはSDカードで3Dプリンタに渡されます。 渡されたGCODEデータを用いて3Dプリンタが動作し、造形されます。

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■ベッド(造形テーブル)の定着

3Dプリントで失敗するのは、ほぼベッドの定着の問題です。失敗をしないためにはとても重要ですので、気を付けて確認しましょう。

◆ベッドの接着剤について

ベッドへの定着が弱いと、造形中にはがれてしまい、ヘッドと造形物がからまり、アフロヘアー状態になります。

これを防止するために、固形のりや整髪スプレーを用いることが多いのですが、利用には注意が必要です。

①整髪スプレー「花王ケープケープ」

 女性用整髪スプレー「花王ケープケープ」は、「3Dエクストラキープ」が最も強く接着します。また、単に接着するだけではなく、冷えるとはがれやすくなります。

 この、接着しやすくはがしやすいというバランスが重要です。接着が強すぎる場合、「スーパーハード」でもOKです。

【注意事項】ケープをテーブルにスプレーする場合は、『絶対に、筐体内で直接テーブルにスプレーしないでください』。必ず、取り外し用のテーブル板を用意して、筐体の外でスプレーしてください。筐体内で直接テーブルにスプレーした場合、3Dプリンターの内部の部品にのり状の物質が付着し、接触不良や動作不良になります。

*メモ* ケープの塗布はBS01のユーザーでエランズクラフトの大西 平次郎さんが発見した手法です。銅版、ガラス、BuildTakには使えますが、アルミ板には使えません。


②固形のり(TOMBO PIT)

 固形のりは、「PIT HI-POWER N」が最も強力に接着します。ケープと違うところは、はがしにくいということです。比較的接着しやすく、はがしやすいものは「シワなしPIT G」です。

 また、ヒートベッドを使う場合、高温では接着力が弱まりますので、注意してください。

◆BuildTak(ビルドタック)の使い方

BS01シリーズは標準ではBuildTakはついていませんが、これは標準で付いていても良いほどファーストレイヤのフィラメントの接着を良くするものです。
PLA版、ABS/PLA版ともに利用すべきですが、いくつかのコツがあるので列挙します。

(1)PLA版はアクリルテーブルに直接貼る。
(2)ABS/PLA版でアルミテーブルに直接はってもかまわないが、できれば金属板(ステンレス0.3mm、銅、アルミ板1mmなど)に貼ってからテーブルベースにめだまクリップで留めるとよい。これは、テーブルから造形物をはがすときにZ軸の部品に負荷をかけず長持ちをさせるための工夫である。
(3)ABS/PLA版でアルミテーブルに直接はる場合はカプトンテープかマスキングテープをを貼って、その上から貼ると交換しやすい。
(4)PLAフィラメントを利用する場合はテーブル温度を室温(加熱しない)か30℃程度にする。
(5)ABSフィラメントで利用する場合はテーブル温度を60℃に設定する。
(6)表面に傷が付いたり剥がれたりする場合は、ベッドの温度が高く、クリアランスがうまく調整されてなく部分的にノズルがベッドにあたっている場合が多いので、定期的にクリアランスの調整をすると良い。
(7)クリアランスの調整には、小型の水準計をつかってまずベッドの水平を出してから、隙間の調整をすること。
(8)表面がよごれた場合は水拭きか中性洗剤を使った水洗いがお勧め

【禁止項目】
(1)有機溶剤(アセトン等)で表面を拭くこと。
(2)大量のアルコールで拭いた場合一時的に接着性が落ちることがある。落ちた場合はケープを塗布すると復活する。水洗いは問題ない。

>BuildTak購入

>BuildTakの使い方マニュアル

>Buildtak本家のサポート

◆PLAモデル(アクリル板)

PLA版ではアクリル板が着脱できるようになっています

【方法1】

・3Mの和紙タイプのマスキングテープ343(緑色)
・ニトムズのテープはがしカッター( http://www.nitoms.com/products/tape/protect/04.html )

【方法2】

・アクリル板にダイソーで買った0.3mmアルミ板をはる
・固形のりと液体のりをミックスしてぬる
・カーボンはがしヘラ( http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%95%E4%B8%8A%E5%95%86%E4%BC%9A-INOUE-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%81%AF%E3%81%8C%E3%81%97%E3%83%98%E3%83%A9-40mm-17041/dp/B001VL5VAQ )
・回復はアルミ板表面を洗う

【方法3】

・BuildTakをアクリル板にはる
・PLAでは、そのまま造形
・この方法でヒートベッドのないPLA版でもABSの造形は可能。BuildTak&ケープ(http://www.kao.co.jp/cape/3d/ )を塗布して造形

◆ABSモデル(ヒートベッドあり)

ABSモデルはベッドが着脱できないため、直接造形するとカプトンテープをはがず恐れがあり、張り替えに苦労します。そのため着脱可能なものを使って利便性を向上させます。

【方法1】

・耐熱ガラス(2mm)をベッドの大きさにカット
・ケープを塗布(http://www.kao.co.jp/cape/3d/

【方法2】

・銅板(1mm)をベッドの大きさにカット ( 「角井銅商店」という京都のお店( http://www42.tok2.com/home/kakui/index.html ))
・ケープを塗布(http://www.kao.co.jp/cape/3d/

【方法3】

・銅板(1mm)をベッドの大きさにカット ( 「角井銅商店」という京都のお店( http://www42.tok2.com/home/kakui/index.html ))
・BuildTakを銅板に貼る
・食いつきが悪いときはケープを塗布(http://www.kao.co.jp/cape/3d/

【方法4】

・ステンレス板(0.3-0.5mm)をベッドの大きさにカット。
・BuildTakをステンレス板に貼る(切り口が鋭い場合はヤスリで研ぐ。ヒートベッドを110℃にあたためその上に乗せて曲がった凹面側にはる)
・食いつきが悪いときはケープを塗布(http://www.kao.co.jp/cape/3d/


◆環境管理

一般的な3Dプリンタでの造形には室温や湿度、風などの環境管理がかかせません。これはフィラメントコントロールのために重要です。
通常は25-30℃、湿度は低い方が良い。
通常20℃以下になると曲がりが発生しうまく造形できません。また、エアコンの風が造形物に当たっていたりしてもうまく造形できません。

多くの場合、季節にによって造形条件が変動します。


■造形後の加工


◆表面加工

ABSのみですが、アセトンを使って表面を溶融させる方法があります。その場合、換気に十分注意してください。 http://www.youtube.com/watch?v=Xj53P2YzYGM

◆研磨

・ABS、PLA問わず表面には積層痕がでるため研磨はかかせません。ダイアモンドヤスリやサンドペーパー、Mipox Tune D3で研磨します。デザインナイフでも可能ですが、怪我をしやすいため推奨はしません。

Mipox Tune D3の購入はこちら。 http://www.bonsailab.asia/selection.html


・ブロンズフィラメントの研磨は基本的にサンドペーパーで行いますが、バレル研磨機を使うと簡単です。

http://www.youtube.com/watch?v=1ehmPlluYMY&feature=youtu.be

◆表面処理

ガレージキット用のプライマー入りサーフェイサー(下地剤)のスプレー等で全体を塗ります。 磨き残しを確認して、再度研磨-サフがけを繰り返します。

◆彩色


◆その他

・ジョイント部分などのはめ込みがきつかったりゆるかったりしている場合は、造形物を熱湯につけると柔らかくなるので、ピンセットで取り出して、ラジオペンチ等で好みの大きさに曲げて冷えるまで固定する。(熱湯に注意)